スウェーデン・キルナでのオーロラ鑑賞レポ/ For the aurora, head to Kiruna

オーロラ鑑賞レポート@キルナ、スウェーデン

3月上旬、北極圏、スウェーデンのキルナという街に3日間滞在し、美しいオーロラをみることができました。ヨーロッパではオーロラ鑑賞地として有名どころのキルナですが、日本人にとってはあまり馴染みのない場所だと思います。

実は、日本からのアクセス面、ベースキャンプの充実具合、観測確率の高さ、の点でオーロラ鑑賞にとてもオススメな場所です、ぜひご旅行の参考に。

 

 

Topics

 

 

︎オーロラとは

太陽から放出される荷電粒子(太陽風)が地球の磁場線に沿って北極圏と南極圏の大気に到達し、粒子が酸素や窒素分子と衝突する際に放出されたエネルギーのことです。

よくノーザンライツ(Northern Lights)といいますが、これは北極圏(ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、アイスランド、カナダ、アラスカ)のオーロラのことで、同時に南半球では南極大陸、その周辺の島々あたりに、サザンライツ(Southern Lights)も発生しているのですねー

実はオーロラ自体は、太陽風によって地球の磁気圏にエネルギーが供給されている限り、常に発生しています。ただし!人間の視点から考えると、オーロラを観測するためには3つの要素のかけ合わせが必要です。

①地磁気活動変化 × ②地球の公転自転 × ③天候

①地磁気活動が活発になる北緯南緯約60度以上でオーロラをみましょう。

②太陽が出ていると明るいので見えませんし、夏は白夜なので見えません。よって、おおよそ8月~4月が北極圏のオーロラシーズンです。(もちろん街の明かりが強いと見えません)ちなみに、まれですが、かなり強力なオーロラの場合は、夏場に白夜の北極圏では見れないがイタリアなどの低緯度で見られることがあったらしいです。

③雲は当然ないほうがよいです。なぜ現地でツアーに参加すべきなのか、ただ一つの目的は車で曇っていない観測場所を探すためです。(ただ、オーロラが強い場合は雲全体が緑になったりもするらしい、それはそれで幻想的)

 

 

 

︎オーロラ予報アプリ

︎とはいえ、何を参考にオーロラ旅の計画をすれば良い?

オーロラの強度を示す良い指標があります。太陽風による地磁気活動の変化量をもとに算出されたのがKP指標であり、オーロラの強度を表しています。

そのKP指標を教えてくれる「オーロラ予報アプリ」はいくつかあって、、わたしはこれを使いました。Aurora Forecast. on the App Store

1か月先まで予報してくれます!

↑オーロラをみた当日のもの、、あれ、確率4%?笑   スウェーデン南部から17時間かけて移動して0%から4%しか上がってない??

いっちおう、この週のKP値が高いということで、旅程を決定したのだがねえ

宿に掲載されたKP指標。あれれ、、肝心な夜のKP値低くない?。。不安が襲う。

KP値、最大は9ですが、5あれば「かなり強い」、3でも「十分に見える」らしい。実際、「十分」に見えました! あきらめないで!

 

 

 

︎オーロラ鑑賞のおすすめ、キルナ

さて、オーロラ観測の有名どころはいくつかありますね。

例えば、カナダのイエローナイフは晴天率が高いですが、アクセス難易度が高めです。一方、北欧は日本から向かうにしても航空アクセスが充実していて、意外と難易度低いのです。ノルウェーのトロムソは北欧では有名ですが海洋性気候のため、スウェーデンのキルナよりは晴天率が下がります。ちなみにキルナは空港から15分で街の中心部に行けて、採掘により北極圏にしては栄えた街なのでベースキャンプにぴったりです。

ノルウェーとスウェーデンの国境付近のアビスコも高い晴天率でオーロラ観測の有名地。ここにも訪れました。昔はキルナで取れた鉄鉱をノルウェーに運ぶ経由地点として栄えましたが、現在最も栄えているのが小さなスーパー、なんと現在人口126人。先住民のサーミ族たちの家がちらほら。気になる場合は、ぜひキルナにベースキャンプを構えて、車ツアーで行ってみましょう、1.5時間です。

オーロラは約100~300km上空の現象であり、特にノルウェー、スウェーデン、フィンランドからは同じオーロラが見えてます。頭上に発生するか、地平線の先に発生するかはわからないし、むしろどこにでも発生しうるもの。よってベースキャンプは質、アクセスのよさ、で決めるとよいと思います。

一つの目安として、、オーロラ強度が弱いものも含めれば、キルナでは7日あれば6日は見ることができるbyキルナ現地民、とのこと。  さすが北極圏!

 

 

 

︎キルナへの向かい方

ストックホルム、コペンハーゲン、デュッセルドルフなどから直行便があります。

(ちなみに、ついに2025年から、ANAより東京からストックホルムまで直行便が運行開始しました!https://www.ana.co.jp/ja/jp/international/area/europe/arn/promotion/

スックホルムからキルナは夜行列車もありますが、東京から富良野(北海道)の距離なので、飛行機をお勧めします!

夜行列車はリクライニングなし座席も多いので、ベッド(コンパートメント座席)を確かに予約してください。さもないと、、写真の感じで朝まで17時間になっちゃうかも、、、? WIFI無し。さらには電気も付きっぱ、アイマスク必須ですね

ボックスシートも甘い!しっかりベッドで寝ましょう。夜行列車とはいえ、寝台特急ではなくただの夜間にも運航している各駅停車なので1時間に一回以上は止まります。

「Meal train」と書いてあればレストラン車両があり、食事をとることができます!キルナに向かうほとんどの夜行列車はMeal trainです。

まあまあ美味。焼きサーモン弁当

 

 

 

︎キルナの様子

お宅が全部かわいいしオシャレ。これ3月上旬で、日中-5℃、夜は-10℃くらいでした。

キルナの交通事情、バスはありますが時刻表が一日2,3本ということで、まあ不便です。ただ、空港や駅からは発着にあわせてバスが存在しています。安心してください。

自由に移動するなら基本歩きですが、小さな町なので、意外といけますよ。(タクシーも一応ありますが、バスですらスウェーデン市内運賃の2倍したので、かなり高いでしょう)

 

田舎のおばあちゃんが歩く時の手押し車的なやつ、がスキー

おばあちゃんも颯爽と滑ってたし、たまに椅子に人乗せて坂滑り移動してる人も。カッケエ

ただ凍りすぎてるよね、歩道も横断歩道も雪で見えないし

階段に至っては、、もうつるっつる。なんとか上がってください。笑

 

現地民に街のおすすめを聞いたら、、
「んーーーーーーーーー(数十秒)」と沈黙の後、教会(旧市街の今は使われていない)を外から眺める、だそう。

他にも、楽しいと思うので日中はぜひ。

・先住民サーミ族博物館やトナカイとの触れ合い Jukkasjarvi Sami Museum in Kiruna: what to see & information

・スキー、犬ソリやスノーモービル Husky Dog Sled Tour in Kiruna 2025

・世界最大鉄鉱石採掘の博物館 LKAB’s Visitor Centre – Kiruna Lappland

・キルナの開拓者の家を改装したカフェ Hjalmar Lundbohmsgården – Spill

 

 

 

︎キルナ飯

キルナといえばトナカイ。すべてのトナカイを先住民サーミ族が飼育管理してます。いただきます。

ジビエな感じですが、いやなクセはなく、とっても美味しかったです。わたくしスウェーデンに数か月滞在していますが、トップレベル!

トナカイの燻製サンド@Pub Eden(@pubeden.restaurant)

トナカイのヒレステーキ@Ripan Kitchen | Camp Ripan (宿泊先、兼キルナ最高評価レストラン)

 

 

 

︎キルナ宿

今回滞在したホテルは Camp Ripan です。超おすすめです。(2万円/泊)

キルナ内で最高評価のレストランがホテル内にあります。(前述の旨すぎるトナカイのステーキ)ここは日曜も空いてます。こちら、早めに予約してください!観光客は多いのに街にレストランが少ないので。17時の回でテーブルギリギリでしたから。

また、スパも最高です。2020 Europe Best SaunaのAurora spaを構えています。白銀世界の中で.北欧テイストの混浴サウナ。詳細は訪れてからのお楽しみですが、サウナは4種類、水風呂お風呂が3種類、雪の中に作られた水風呂最高でしたよ。水着必要です。混むので、早めに予約してください!平日をお勧めします。昼一番は人が少なかったがその後の回はめちゃ居ました。

 

 

 

︎現地オーロラツアー

バンに数人で乗り込んで、ガイドが運転する車でオーロラを探します。

オーロラハンティングの目的はただ一つ「曇りのない空を探す」です。オーロラハンティングというか快晴の空ハンティング。これが我々ができる唯一のことです。

今回は2夜連続で現地ツアーに申し込みました。(2.5万円/日)

Northern Lights Driving Tour in Kiruna, Sweden 2025 ★★★★★

Small-Group Northern Lights Minibus Tour from Abisko 2025 – Kiruna ★★★★☆

ガイドさんはカメラでオーロラや我々の撮影をしてくれて、翌日受け取れます。素晴らしいカメラで素晴らしい写真を撮ってくれるので、我々は全集中で生オーロラを脳裏に焼き付けましょう。

航空券パックで申し込まないため、このような現地ツアーは前日までキャンセルも無料だし、申し込みもできるところがよいです。明らかに天候が悪いときや自身の予定変更に合わせてセッティングできますからね。ツアーといっても、車に乗っけるだけだからかなりフレキシブル。

基本会社は違っても内容は同じです。しいて言うなら一つ目のツアーをお勧めします。寒すぎるときのアウター装備やサービス(オーロラ説明とか、キャンプファイヤーとか)、観測場所とか、です。

夜、泊っているホテルまで迎えに来てくれます。そして深夜にかけてハンティングしにいきます!

大体19時に集合して24時にホテル帰着の5時間くらいのハンティングですが、オーロラの観測具合によって、終了時間は1, 2時間前後します。ほんとにフレキシブル!

 

ツアーに集合した19時、かなりの曇天かつKP値も低いので、超不安でした。

こんな感じで道路沿いに車を止めて逐一空を確認!

うん、薄いけど見える!徐々に雲も開けてきた!

ツアーは4時間あります。前半の1, 2時間は雲のせいでほとんど見えなくても、雲が無くなるまで待てますし、オーロラが見える場所までちゃんとガイドしてくれます。

 

結局、すっごく素敵なオーロラにいくつも出会うことができました。

全地球人よ、オーロラをみよ。/ People of Earth, behold the aurora.

全地球人よ、オーロラをみよ。/ People of Earth, behold the aurora. | SAITRAVELER

この記事にレポートしたオーロラは、かなり見えてる方です。(ホテルに飾ってある写真よりすごかったし!)

現地ツアーは連日参加するのが一般的で、私も複数日参加しました。この1週間の中で、私が初日に参加したツアーが最もオーロラが大迫力だったそう。他の日も見えましたが、見え方や強度は日でまちまちでした。

 

 

 

︎オーロラをみる心構え

大事なことは、一期一会を大切にすること。
オーロラは自然現象、宇宙の神秘です。

一瞬だけ出現したり、長くても数十秒。点滅したり、とんでもない速さで揺れ動いたり、空一面を覆ったり様々です。大きいから良かった、小さいからダメだった、てことはなく、すべてが一期一会なんです。

比べてはダメ、その瞬間を楽しめる人が参加してください。その心構えで向かうと、どんな結果であれ楽しめるでしょう。

何より、自分の目で見たオーロラは格別です!

実際、スウェーデン人でも南部出身者はオーロラ見たことない人ざらにいます。北極圏でも、オーロラを確実にみるには10日間は必要と言われています。

これくらい珍しく難易度が高いことなのです。

 

 

 

︎ 滞在中、気をつけること

・カメラの露光時間をのばすとオーロラは撮影可能です。

・手先、足先、耳は完全防寒で! -10℃だとカイロは全く意味を持たず、ただの冷えた重しになるので、防寒アウター(スキーウェアとか)と極暖ダウンを準備しましょう。

・スウェーデンでは日曜は店空いてません。観光や食事も難易度高いです。